棟のズレにはバンドを巻いて補強されるそうですが、その工法が一番良いのでしょうか?
棟部の瓦にバンド(ステンレス材)を巻いて補強する工事は以前はよく見かけていました。
パッと見ると補強工事がしっかりされていると思いますよね。
でもそこには落とし穴があるので気をつけてください!
棟瓦というのは平瓦を葺いた後に施工します。つまり平瓦の上に棟瓦がのっているだけなのです。要するに平瓦は桟木や屋根板などに釘もしくはビス等で固定します。
しかし棟瓦は平瓦の上にある為に緊結(きんけつ)方法が乏しくなりがちです。
お寺など神社仏閣は棟の中に大きな屋根構造上の棟木(むなぎ)という柱等が入っているので何百年と棟瓦がしっかりしているのですが、一般住宅ではその様な工法はほとんどありません。
最近、地震の映像などで棟瓦が崩れ落ちている様子を見ますよね。あれこそ典型的な棟瓦の緊結方法や施工の甘さなんです。
ですので、棟瓦がすでにズレている物はいくらバンド補強をしても効力を発揮しません。
もちろん棟瓦にズレ等が無くてただ補強をお考えならば、バンド止めやボンド止め工法でも大丈夫でしょう。
ただ正直言いますと、同じお金をかけるなら棟瓦を耐震施工にやり直す方法をお勧めします。
そうする事で台風や地震がくるたびに心配しなくて済むからですね。
補強工事より少し金額が高いかも知れませんがその分安心を手に入れる事が出来ます。
雨漏りや棟瓦の落下の危険性が少ないのであれば十分にお考えになり補強か改修工事に踏み切られると良いですよ。
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