■今回の施工事例
熊本地震被害による屋根改修工事の事例です。
修理をお願いしてもなかなか来てくれないと言う状況で、ご自身でシート養生を繰り返し耐えておられました。
【施工前】
怪獣が壊していったような屋根瓦にシートを掛けてありましたが、夏の陽ざしを浴びもう既にボロボロになっていました。
ご自身で修理に取り掛かろうとお考えの様でしたが、入母屋(いりもや)造りで要所や施工順番も分からず困り果て、弊社へお問い合わせがあったことがキッカケでした。
【施工後】
業界の恥をさらす様で言いたくないのですが、「ほぼ土だけ」で施工された棟部の瓦は崩れていました。
しかし緊結などが施されて無かった為、屋根に留まった瓦は、ほぼ再利用が出来る状態でしたので、お客様のご意向もあり出来るだけ既存瓦を利用して改修致しました。
1. まずは崩れた瓦の除去清掃です。
屋根瓦は下から上へと重ねて葺(ふ)きあげるように順番がありますので下地処理をしっかりと施し復旧開始です。
2. 熊本地震は縦揺れが起こり、瓦が浮き上がった所へ横揺れが始まり瓦はめちゃくちゃになりました。
その経緯もあり瓦はパッキン付きのステンレスビスと銅線緊結を併用して留め付けました。
3. 入母屋屋根の端部分を納めました。半丸の様な瓦を先に施工しないと一番上にある棟(むね)が施工できないからです。
4. 次に棟部の施工です。
こちらも同様で縦揺れを警戒して半分にカットした瓦も穴をあけてビス留め固定をしています。また横揺れを警戒して強力棟金具を屋根に留め付けて
その金具に木材を入れて強化しています。
5. 以前は鬼瓦の高さを上げる為に丸瓦と鬼瓦の間に漆喰等でかさ上げをしていました。
しかしそれは、地震によりもろく崩れやすくなるので、
今回は丸瓦の上に鬼瓦を加工してあげてドッシリと据えております。
6. 棟瓦の施工です!
芯に入れた木材に棟瓦を銅線で緊結して、さらにのし瓦が落ちていかない様に互いの銅線を縛りました
7. 棟部の最後に丸瓦をのせ、緊結した余分な銅線をカット、それから銅線が通っている穴にシーリングして完了です。
後日隅棟(養生している個所)の改修に伺う予定です。
長い事お待たせして申し訳ありませんでした。もう強風や雨漏れの心配はありませんのでご安心ください。
お世話になりました。
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