瓦屋根の瓦を強風に備えて固定する方法は?

瓦屋根の瓦を強風に備えて固定するには、瓦を屋根下地にくぎやねじで留め、棟瓦や端部も専用金具などで一体化する方法が基本です。ただし、瓦の種類、屋根の傷み、建物の地域や形状によって適切な方法が変わるため、屋根全体を点検したうえで、屋根工事業者に施工を依頼してください。

強風対策で最初に確認する瓦の状態

瓦が浮いている、ずれている、ひび割れている場合は、固定作業だけでなく、瓦の交換や下地の補修が必要になることがあります。

  • 瓦が上下左右にずれていないか
  • 瓦の一部が浮いていないか
  • 瓦のひび割れ、欠け、割れがないか
  • 棟瓦や冠瓦を固定している土やしっくいが崩れていないか
  • 屋根の端、軒先、けらばの瓦が外れかけていないか
  • 過去の台風や地震の後から雨漏りしていないか

屋根に上って確認するのは危険です。地上から見える範囲を確認し、屋根上の点検や撮影は専門業者に依頼してください。瓦がずれている状態で屋根に上ると、瓦を割ったり、落下させたりするおそれがあります。

瓦屋根を強風に備えて固定する主な方法

固定方法は、瓦の種類と屋根の施工状態によって選びます。一般的には、瓦を1枚ずつ留める方法、棟瓦を金具で固定する方法、屋根の端部を補強する方法を組み合わせます。

瓦をくぎやねじで屋根下地に留める

瓦の下にある桟木や屋根下地に、瓦用のくぎやねじで瓦を固定します。強風で瓦が持ち上がるのを抑えるため、瓦の形状に合った位置と本数で施工することが重要です。

既存の瓦に後から穴を開ける場合は、穴の位置を誤ると瓦が割れたり、雨水が屋根下地へ入りやすくなったりします。使用するくぎやねじも、さびにくさや長さ、瓦との適合性を確認する必要があります。

瓦同士をクリップや金具で固定する

瓦の重なり部分を専用クリップや金具で留める方法もあります。瓦の種類によっては、くぎやねじだけでなく、瓦同士を連結して屋根全体のばらつきを抑えます。

金具の取り付け位置や数は、屋根の勾配、建物の高さ、地域の風の強さなどで変わります。市販の金具を自己判断で取り付けるのではなく、瓦に適合した製品と施工方法を選びます。

棟瓦を金具やねじで固定する

棟瓦は屋根の高い位置にあり、強風の影響を受けやすい部分です。棟瓦を支えるために、棟金具、垂木、下地材、ねじなどを使って固定し、瓦同士も連結します。

棟の土やしっくいが崩れている場合、表面だけを補修しても固定力が十分に戻らないことがあります。棟瓦をいったん取り外して下地から直す工事が必要になる場合もあります。

軒先とけらばの瓦を補強する

軒先は屋根の端にあり、風が入り込みやすい部分です。けらばは切妻屋根などの妻側にある端部を指します。これらの端部の瓦が確実に固定されているかを確認し、必要に応じてくぎ、ねじ、金具などで補強します。

屋根の中央部分だけを固定しても、端の瓦が外れると周囲の瓦へ被害が広がることがあります。強風対策では、軒先、けらば、棟の順に端部を含めて確認することが大切です。

古い瓦屋根は「固定」だけで済まないことがある

昔ながらの土葺き工法では、瓦の下に土を載せて瓦を安定させていることがあります。この工法は屋根が重くなりやすく、経年によって瓦のずれや土の劣化が起きることもあります。

この場合は、ずれた瓦を部分的に留めるだけでなく、瓦をいったん外し、土を撤去して下地を整えたうえで、瓦を固定し直す工事が選択肢になります。屋根全体の劣化が進んでいる場合は、瓦の葺き直しや葺き替えが必要になる可能性もあります。

屋根材が重いことや、固定方法が古いことだけで、直ちに危険と断定することはできません。実際の状態は、瓦のずれ、下地の腐食、棟の状態、建物の構造などをまとめて確認して判断します。

瓦を強風対策で固定するときに避けたい方法

次の方法だけで強風対策を済ませるのは避けてください。

  • 瓦の表面に接着剤やシーリング材を塗るだけにする
  • 瓦の上に重い物を置いて押さえる
  • 針金で瓦をまとめて縛る
  • 割れた瓦をそのまま接着して使い続ける
  • 強風が予想される直前に屋根へ上って作業する

接着剤やシーリング材は、補助的に使われることはあっても、屋根下地への固定や瓦の交換の代わりにはなりません。誤った施工は、雨漏り、瓦の割れ、補修時の作業性の低下につながることがあります。

業者に固定工事を依頼するときの確認項目

見積もりを取るときは、「瓦を固定する」という説明だけでなく、どの部分をどの方法で直すのかを確認してください。

  1. 屋根全体または必要な範囲を点検してもらう
  2. 瓦の種類、ずれ、割れ、浮きの有無を確認する
  3. 棟、軒先、けらばの固定方法を説明してもらう
  4. 瓦だけでなく、桟木や下地に傷みがないか確認する
  5. 補修、葺き直し、葺き替えの違いと費用を比較する
  6. 工事後に、どの瓦を何で固定したかを記録してもらう

「瓦を全部固定する」と言われても、固定する範囲や方法が業者によって異なる場合があります。見積書に、対象箇所、使用する材料、瓦の交換枚数、足場の有無、保証内容が記載されているか確認しましょう。

強風の後に瓦がずれていた場合の対応

強風の後に瓦のずれや落下を見つけたら、まず屋根の下や周囲に近づかないようにします。落ちた瓦がある場合も、屋根に上って自分で戻そうとせず、専門業者へ点検を依頼してください。

室内で雨漏りしている場合は、バケツなどで一時的に受け、電気設備に水がかかっていないか確認します。雨漏りの原因を屋内から特定できるとは限らないため、屋根の応急処置と本修理を分けて相談してください。

瓦屋根の強風対策は屋根全体の固定が基本

瓦屋根の強風対策は、瓦の一部に接着剤を塗るのではなく、瓦、棟、軒先、けらば、屋根下地を含めて固定状態を確認することが基本です。

まずは屋根に上らず、地上から見えるずれや落下の有無を確認してください。そのうえで、瓦の種類と傷みを調べ、くぎ・ねじ・金具による固定、棟の補強、葺き直しなどから適切な工事を選びます。