瓦屋根工事の保証内容は?

瓦屋根工事の保証内容は、工事店や契約内容によって異なります。一般的には、施工不良による雨漏りや瓦のずれなどを対象にする「工事保証」と、瓦そのもののひび割れ・変色などを対象にする「製品保証」に分かれます。

保証期間だけでなく、何が保証対象か、対象外の原因は何か、費用負担や申請方法はどうなっているかまで確認することが大切です。

瓦屋根工事の保証は主に3種類

瓦屋根工事の保証は、保証する対象によって内容が変わります。契約前に、どの保証が付くのかを分けて確認しましょう。

保証の種類 主な対象 保証する人・会社
工事保証 施工不良による瓦のずれ、雨漏り、漆喰や棟の施工不良など 工事を行った施工会社
製品保証 瓦の製造上の不具合、ひび割れ、変色など 瓦のメーカーなど
メーカー・第三者保証 登録された工事方法や工事店を条件とする保証など メーカーや保証制度の運営会社

同じ「10年保証」と書かれていても、工事全体を対象にするのか、瓦だけを対象にするのかで意味は大きく異なります。

工事保証で対象になりやすい内容

工事保証では、施工会社の作業が原因で発生した不具合が対象になることがあります。ただし、対象範囲と期間は会社ごとに異なり、すべての工事店に同じ保証があるわけではありません。

瓦屋根では、次のような不具合が工事保証の対象として記載されることがあります。

  • 施工後に発生した雨漏り
  • 瓦の固定不足や施工不良によるずれ
  • 棟瓦や冠瓦の施工不良
  • 漆喰や棟部の施工不良
  • 防水シートや下地の施工不良
  • 工事の範囲に含まれる板金部分の施工不良

ただし、雨漏りがあったからといって、必ず無料修理になるとは限りません。台風、地震、飛来物、建物の経年劣化、他社が行った工事などが原因と判断された場合は、保証対象外となることがあります。

瓦そのものの製品保証で対象になる内容

製品保証は、瓦の製造上の不具合などを対象にする保証です。施工会社の工事保証とは別に、保証期間や申請条件が定められています。

たとえば、瓦の種類によっては、次のような不具合が製品保証の対象になる場合があります。

  • 通常の使用条件で発生した製造上の欠陥
  • 製品仕様で定められた範囲を超える変色や退色
  • 製品のひび割れや欠損など、メーカーが認めた不具合

一方で、施工方法が原因の破損、強風や地震による破損、落下物による破損、通常の経年劣化などは、製品保証の対象外になることがあります。保証の対象は瓦の種類やメーカーによって違うため、製品名と保証書の内容を確認してください。

瓦屋根工事で保証されないことがあるケース

保証書に「屋根工事一式」と書かれていても、すべての不具合や自然災害が含まれるとは限りません。次のようなケースは、保証対象外として扱われることがあります。

  • 台風、強風、地震、積雪、落雷などの自然災害による破損
  • 飛来物や落下物による瓦の割れ
  • 建物の構造上の問題による雨漏り
  • 瓦や下地の経年劣化
  • 施主や第三者が行った修理・改造後の不具合
  • 保証書に定められた点検を受けていない場合
  • 保証期間を過ぎてから発見・申告した不具合
  • 契約に含まれていない部分の不具合

特に、瓦の割れは施工不良だけでなく、強風や飛来物が原因の場合もあります。原因によって、工事保証ではなく火災保険の補償を確認することになります。保険の対象や請求条件は契約内容によって異なるため、事故の状況を写真で残し、保険会社に確認してください。

保証期間は「何年」だけで判断しない

瓦屋根工事の保証期間は、工事店、工事内容、使用材料によって異なります。屋根全体の葺き替え、部分修理、棟の積み直し、漆喰工事などで、保証の対象や期間が同じとは限りません。

「長期保証」と表示されていても、途中の点検や有料メンテナンスが条件になっていることがあります。また、保証期間が長くても、対象が瓦の製品不良だけで、雨漏りや下地の施工不良を含まない場合があります。

そのため、次の項目を保証書や契約書で確認します。

  • 保証の開始日
  • 保証期間
  • 対象となる工事箇所
  • 対象となる不具合
  • 無料修理の範囲
  • 材料費、工事費、足場代の負担者
  • 自然災害や経年劣化の扱い
  • 定期点検や有料メンテナンスの条件
  • 保証を受けるための連絡方法と期限
  • 会社が廃業した場合の扱い

新築住宅と屋根の修理では保証の扱いが違う

新築住宅では、住宅の構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分について、住宅事業者が10年間の責任を負う制度があります。屋根がどの範囲に該当するか、また対象となる不具合かどうかは、建物の状態や契約内容によって判断されます。

一方、既存住宅の瓦の葺き替え、部分修理、棟の修理などは、新築住宅と同じ一律の10年保証になるわけではありません。リフォームや修理の保証は、工事請負契約や保証書に記載された内容を確認する必要があります。

また、屋根工事の契約書に保証期間が書かれていない場合でも、施工会社の契約上の責任が常にないと決まるわけではありません。ただし、実際の請求や無料修理の可否は、不具合の原因、契約内容、発見時期などによって変わります。

保証を使って修理を依頼する手順

雨漏りや瓦のずれを見つけたときは、屋根に上らず、まず施工会社へ連絡します。自分で瓦を踏んだり動かしたりすると、被害が広がったり、原因確認が難しくなったりするためです。

  1. 室内の雨染みや屋外から見える瓦の状態を、日付が分かるように写真で記録する。
  2. 保証書、契約書、工事内容が分かる見積書を準備する。
  3. 工事を行った会社に、不具合の場所と発見日を伝える。
  4. 保証対象かどうか、原因調査の方法と費用負担を確認する。
  5. 調査結果と修理内容を、書面やメールで受け取る。
  6. 修理後に、雨漏りや瓦のずれが改善したかを確認する。

原因調査の前に別の会社へ修理を依頼すると、元の施工が原因かどうか確認できなくなることがあります。緊急の応急処置が必要な場合も、可能であれば施工会社や保険会社へ先に連絡し、作業内容を写真で残してください。

契約前に確認するべき保証の書き方

保証を比較するときは、「保証あり」という表示ではなく、具体的な対象を確認します。たとえば「雨漏り保証」と書かれていても、屋根全体が対象なのか、施工した部分だけが対象なのかで内容は異なります。

見積書や保証書に、次のような記載があるか確認してください。

  • 工事箇所と工事内容
  • 施工会社名と保証責任者
  • 保証期間の開始日と終了日
  • 雨漏りの原因調査を含むか
  • 材料費、工賃、足場代を誰が負担するか
  • 台風や地震などの自然災害を対象にするか
  • 点検・メンテナンスを受ける条件
  • 保証書の発行時期
  • 会社が廃業した場合に利用できる制度があるか

口頭で「何かあれば無料で直す」と説明された場合は、対象範囲と期間を書面にしてもらいましょう。保証の約束が具体化されていないと、後で認識の違いが起きやすくなります。

瓦屋根工事の保証内容を判断するポイント

瓦屋根工事の保証は、期間の長さだけでなく、施工不良による雨漏りや瓦のずれが対象か、修理費用をどこまで負担するかで判断します。

工事保証、製品保証、自然災害への補償は別のものです。契約前に保証書と見積書を照らし合わせ、工事箇所、対象となる不具合、対象外の条件、申請方法を確認してください。既存住宅の修理では、新築住宅に適用される保証と同じ扱いになるとは限りません。