瓦屋根の瓦ずれが起こる原因は?
瓦屋根の瓦ずれは、強風や地震による揺れ、瓦を固定する材料の劣化、屋根の下地のゆがみなどが主な原因です。瓦の一部だけがずれる場合もあれば、屋根全体の変形や施工上の問題が関係している場合もあります。
瓦がずれたまま放置すると、雨水が屋根の内部に入り、下地の腐食や雨漏りにつながるおそれがあります。地上から見て瓦の列が乱れている、隙間が広がっている、瓦が浮いている場合は、屋根の上に上らず専門業者に点検を依頼してください。
瓦屋根の瓦ずれが起こる主な原因
強風や台風で瓦が動く
強い風が瓦のすき間に入り込むと、瓦が持ち上がったり横方向へ動いたりすることがあります。特に、棟(屋根の最も高い部分)や屋根の端は風の影響を受けやすく、瓦のずれや飛散が起こりやすい場所です。
周辺の瓦も連続してずれている場合は、1枚だけの不具合ではなく、強風によって屋根面に力が加わった可能性があります。
地震や建物の揺れ
地震の揺れによって瓦同士が動いたり、棟の土台が崩れたりすると、瓦の位置がずれることがあります。大きな地震の後だけでなく、繰り返し起こる小さな揺れが影響する場合もあります。
瓦のずれに加えて、棟のゆがみ、漆喰(しっくい)の剥がれ、瓦の割れが見られるときは、屋根全体の点検が必要です。
瓦を固定する材料が劣化している
瓦屋根では、釘やビス、銅線、接着剤、漆喰などが瓦や棟を支えていることがあります。これらがさびたり、腐食したり、硬化・剥離したりすると、瓦が動きやすくなります。
築年数が経過した屋根では、瓦そのものに大きな傷がなくても、固定部分の劣化によってずれが起こることがあります。
屋根の下地や建物がゆがんでいる
屋根瓦を支える野地板や垂木などの下地がたわむと、瓦の並びが崩れることがあります。雨水の浸入によって下地が腐食している場合や、建物の経年変化・不同沈下などで屋根の形が変わっている場合もあります。
同じ場所で何度も瓦がずれる、広い範囲で瓦の列が波打っているときは、瓦だけを戻しても再発する可能性があります。下地や建物の状態まで確認する必要があります。
施工時の固定や並べ方に問題がある
瓦の固定方法が不十分だったり、瓦のかみ合わせや列の調整が適切でなかったりすると、通常の風や振動でも瓦が動きやすくなります。
施工直後からずれが見られる、特定の範囲だけ瓦の並びが不自然といった場合は、施工状態が原因の可能性があります。ただし、外観だけで施工不良と断定することはできません。
瓦の割れや欠け、凍結などによる劣化
瓦に割れや欠けがあると、瓦同士のかみ合わせが弱くなり、ずれやすくなります。寒冷地では、瓦にしみ込んだ水分が凍結と融解を繰り返すことで、ひび割れや欠けが進むこともあります。
割れた瓦の周辺だけがずれている場合は、瓦の破損と固定状態をあわせて点検します。
屋根の上に物が当たった
飛来物、落枝、アンテナなどが瓦に当たると、瓦が割れたり位置がずれたりします。台風や強風の後に、屋根の近くで枝や物が落ちている場合は、衝突の影響も確認が必要です。
瓦ずれの原因を見分ける手がかり
瓦ずれの原因は、ずれ方や発生した場所、周辺の破損状況からある程度推測できます。ただし、屋根の内部や固定部分は地上から判断しにくいため、次の項目は点検時の手がかりとして考えてください。
| 見られる状態 | 考えられる原因 |
|---|---|
| 台風や強風の後に広い範囲でずれた | 強風による移動や瓦の浮き |
| 地震の後に棟や瓦の列が乱れた | 揺れによる瓦・棟の移動 |
| 瓦が古く、固定部分も劣化している | 釘・銅線・漆喰などの経年劣化 |
| 瓦の列全体が波打っている | 下地や建物のゆがみ、広範囲の施工状態 |
| 瓦の一部に割れや欠けがある | 飛来物、落枝、凍結、経年劣化など |
| 施工後まもなく特定部分だけずれた | 固定方法や瓦の並べ方の問題の可能性 |
これらはあくまで原因を考えるための目安です。たとえば、強風による瓦ずれに見えても、実際には固定部分の劣化が先に進んでいた可能性があります。
瓦ずれを見つけたときの確認方法
最初に行うのは、地上や室内からの安全な確認です。瓦の上を歩いたり、脚立から屋根へ上がったりすると、瓦を割るだけでなく転落する危険があります。
- 屋根から離れた地上から、瓦の列の乱れ、浮き、割れ、棟のゆがみを確認します。
- 天井や小屋裏に、雨染み、湿った跡、カビ、木材の変色がないかを確認します。
- 瓦ずれに気づいた時期と、直前の台風・強風・地震・落枝の有無を記録します。
- 屋根の写真を地上から撮影し、瓦がずれている場所を業者へ伝えます。
- 屋根修理業者や建築板金業者などに、瓦だけでなく下地と固定部分も点検してもらいます。
室内に雨漏りがある場合や、瓦が落下しそうな場合は、屋根の下にも近づかないでください。応急処置が必要でも、屋根に上って瓦を自分で戻すのは避けたほうが安全です。
瓦ずれを放置すると起こりやすい問題
瓦がずれると、瓦の下にある防水紙や下地が雨水にさらされやすくなります。すぐに室内へ雨漏りしなくても、内部で木材の腐食や金属部材のさびが進むことがあります。
また、ずれた瓦が強風でさらに動き、隣の瓦を割ったり、屋根から落下したりする可能性もあります。特に道路や隣家に面した屋根では、落下による被害にも注意が必要です。
修理方法は原因によって変わる
1〜数枚の瓦が軽くずれているだけなら、瓦を正しい位置に戻し、必要に応じて固定する修理で済む場合があります。ただし、瓦の割れや固定部の劣化があると、単に並べ直すだけでは再発するおそれがあります。
棟の崩れ、下地の腐食、広範囲の瓦ずれがある場合は、棟の積み直しや下地の補修、瓦の葺き直しなどが必要になることがあります。修理内容は、屋根材の種類、劣化範囲、固定方法によって異なるため、見積もりでは次の点を確認してください。
- 瓦ずれの直接の原因
- 瓦だけでなく下地や防水紙も点検したか
- 交換が必要な瓦の枚数
- 棟や固定金具の補修が必要か
- 修理範囲と、修理しない部分に残るリスク
「瓦を戻すだけ」と説明された場合でも、なぜずれたのか、再発防止のためにどの部分を直すのかを確認すると判断しやすくなります。
瓦屋根の瓦ずれの原因は一つとは限らない
瓦ずれの主な原因は、強風、地震、固定部分の劣化、屋根の下地のゆがみ、施工状態、瓦の破損です。実際には、経年劣化で固定力が弱くなったところに台風や地震の力が加わるなど、複数の原因が重なっていることもあります。
まずは地上から瓦のずれや割れ、棟のゆがみ、室内の雨染みを確認し、屋根に上らず専門業者へ点検を依頼してください。修理では瓦だけでなく、固定部分、防水紙、下地まで原因を確認することが再発防止につながります。