瓦屋根の棟瓦と漆喰の違いは?

棟瓦と漆喰(しっくい)は、瓦屋根の棟部分に使われますが、役割と種類が違います。棟瓦は屋根の頂上に載せる「瓦そのもの」、漆喰は棟瓦の下や周囲を固める「材料」です。

棟瓦と漆喰の違い

項目 棟瓦 漆喰
何か 棟に載せる瓦 瓦のすき間や土台を保護・固定する材料
主な場所 屋根の頂上や、斜めに下がる棟の上 棟瓦の下、瓦と瓦の接合部など
主な役割 棟を覆い、雨の侵入を抑える 棟の土台を保護し、すき間を埋める
劣化したとき 割れ、ずれ、落下などが起こる ひび、はがれ、くずれ、黒ずみなどが起こる

棟瓦とは

棟瓦とは、瓦屋根の頂上部分である「棟」に施工する瓦のことです。屋根の形に合わせて、水平に載せる瓦だけでなく、屋根の斜面に沿って施工する瓦を指す場合もあります。

棟瓦には、棟の内部に雨が入り込むのを抑えたり、屋根の頂上部分を覆ったりする役割があります。施工方法によっては、複数の棟瓦を重ね、金具や下地材などで固定します。

棟瓦の劣化で見られる症状

  • 瓦がずれている
  • 瓦にひびや割れがある
  • 棟瓦が浮いている
  • 瓦が落ちている
  • 棟全体が波打つように見える

棟瓦のずれや浮きは、雨風や地震などによって固定部分に負担がかかって起こることがあります。ただし、外から見ただけでは原因や内部の状態まで判断できないため、屋根に上って自分で確認するのは避けてください。

漆喰とは

瓦屋根でいう漆喰は、棟瓦の下にある土台部分を覆ったり、瓦のすき間を埋めたりするために使われる白い材料です。伝統的な瓦屋根では、棟瓦の下にある葺き土を雨から守る目的で施工されることがあります。

漆喰は瓦ではないため、棟瓦とは別の部材です。漆喰が表面に見えていても、その内側に棟瓦を支える土台や別の下地材がある場合があります。

漆喰の劣化で見られる症状

  • 表面に細かなひびが入っている
  • 漆喰がはがれている
  • 漆喰が粉状になっている
  • 一部がくずれ、内部の土が見えている
  • 漆喰が黒ずんでいる、または苔が付いている

漆喰のひびやはがれは、経年劣化のほか、雨水の影響や棟瓦のずれに伴って起こることがあります。漆喰だけの劣化に見えても、棟瓦の固定状態や内部の土台に問題があるケースもあるため、表面だけを補修すればよいとは限りません。

棟瓦と漆喰はどのような関係か

棟瓦は屋根の外側を覆う部材で、漆喰は棟瓦の下や周囲を保護する材料です。つまり、棟瓦と漆喰は競合するものではなく、同じ棟部分で役割を分担しています。

たとえば、棟瓦に大きな割れがなくても、下の漆喰がくずれていることがあります。反対に、漆喰を補修していても、棟瓦のずれや固定不良が残っていれば、再び漆喰が傷む可能性があります。

修理が必要か判断するときの見方

漆喰の表面だけが劣化しているのか、棟瓦や内部の土台まで傷んでいるのかによって、必要な工事は変わります。

見られる状態 考えられる対応
漆喰に小さなひびがある 漆喰の補修で対応できる可能性があります。ただし、原因の確認が必要です。
漆喰が広い範囲ではがれている 漆喰の補修に加え、棟の内部や棟瓦の状態を確認します。
棟瓦がずれている、浮いている 棟瓦の積み直しや固定のやり直しなどが必要になる可能性があります。
棟全体が崩れている 棟瓦だけでなく、下地や土台を含めた補修が必要になる場合があります。

上の表は一般的な判断の目安です。屋根の構造や施工方法、劣化の範囲によって工事内容は変わるため、実際には屋根業者に地上から確認してもらい、必要に応じて写真で状態を説明してもらうと判断しやすくなります。

「漆喰の補修」だけでよいとは限らない理由

漆喰がくずれていると、漆喰だけを塗り直せば直るように見えます。しかし、棟瓦のずれや内部の土台の崩れが原因なら、表面の漆喰を補修しても再劣化しやすくなります。

見積もりを依頼するときは、次の点を確認すると、工事範囲を判断しやすくなります。

  • 漆喰だけの補修なのか
  • 棟瓦のずれや割れも補修するのか
  • 棟の内部の土台を確認したのか
  • 瓦の積み直しや固定のやり直しが必要なのか
  • 補修範囲と工事後の状態を写真で確認できるか

「棟瓦の交換」と「漆喰の補修」は、同じ棟の工事でも内容が異なります。見積書に工事名だけが書かれている場合は、どの部材をどこまで直すのかを確認してください。

棟瓦と漆喰の違いを簡単にまとめると

棟瓦は、瓦屋根の棟に載せる瓦です。漆喰は、棟瓦の下や周囲を保護し、すき間を埋めるための材料です。

漆喰のひびやはがれだけなら漆喰補修で済む可能性がありますが、棟瓦のずれや棟内部の崩れがある場合は、棟全体の修理が必要になることがあります。まずは屋根に上らず、棟瓦・漆喰・内部の土台を分けて状態を確認してもらうことが大切です。