屋根の棟板金と瓦の違いは?

棟板金と瓦は、どちらも屋根の頂上部分である「棟」をおおう部材ですが、材質と納まりが異なります。棟板金は金属製のカバー、瓦は粘土やセメントなどで作られた屋根材です。なお、瓦屋根の棟に使う「棟瓦」と、金属屋根などの棟に使う「棟板金」は、同じ場所に使われても別の部材です。

棟板金と瓦の違い

大きな違いは、棟板金が金属の部材であるのに対し、瓦は焼き物などの屋根材である点です。棟板金は主にスレート屋根や金属屋根の棟に取り付けられ、瓦屋根では棟瓦を積んで仕上げます。

比較項目 棟板金 瓦・棟瓦
主な材質 ガルバリウム鋼板などの金属 粘土瓦、セメント瓦など
主に使われる屋根 スレート屋根、金属屋根など 瓦屋根
取り付け方 下地材に固定し、板金をかぶせる 瓦を並べたり積んだりして固定する
見た目 薄く直線的で、すっきりした印象 厚みや曲線があり、瓦屋根らしい印象
代表的な不具合 浮き、変形、さび、固定釘やビスのゆるみ ずれ、割れ、漆喰の劣化、棟のゆがみ

棟板金とは何か

棟板金とは、屋根の頂上にある棟部分を金属板でおおう部材です。屋根材同士のすき間から雨水が入り込むのを抑え、棟の内部を保護する役割があります。

棟板金は、板金だけで固定されているわけではありません。一般的には、棟の下地材に板金をかぶせ、釘やビスなどで固定します。そのため、表面の金属だけでなく、内部の下地材や固定部分の状態も点検対象になります。

棟板金で起こりやすい不具合

  • 強風や経年変化による浮き、めくれ
  • 棟板金の変形や破損
  • 固定している釘やビスのゆるみ
  • 金属部分のさび
  • 下地材の腐食や劣化

棟板金が浮いたままになると、風でさらにめくれたり、雨水が内部へ入り込んだりする可能性があります。ただし、屋根の外観だけでは原因や修理範囲を正確に判断できないため、異常が見える場合は屋根の施工業者などに状態を確認してもらう必要があります。

瓦と棟瓦とは何か

瓦は、屋根全体に使う屋根材の一種です。粘土を焼いた粘土瓦や、セメントを主原料とするセメント瓦などがあります。一方、棟瓦は屋根の頂上部分に取り付ける瓦を指します。

瓦屋根では、屋根面の瓦だけでなく、棟瓦の固定状態や棟の下にある漆喰・土なども雨仕舞いに関係します。雨仕舞いとは、屋根内部へ雨水が入りにくくするための納まりや処理のことです。

瓦屋根で起こりやすい不具合

  • 瓦の割れや欠け
  • 瓦のずれや脱落
  • 棟のゆがみや崩れ
  • 棟を支える漆喰のひび割れ、はがれ
  • 固定金具や下地材の劣化

瓦は一枚単位で交換できる場合がありますが、棟のゆがみや固定部の劣化がある場合は、表面の瓦を戻すだけでは十分でないことがあります。修理方法は、瓦の種類、棟の構造、劣化範囲によって変わります。

棟板金と棟瓦はどちらがよいのか

棟板金と棟瓦を単純に比較して、どちらが優れているとはいえません。基本的には、現在の屋根材と構造に合う部材を使います。スレート屋根や金属屋根の棟を瓦に変更したり、瓦屋根の棟だけを棟板金に変更したりする場合は、屋根全体の構造や重量、雨仕舞いを含めた検討が必要です。

現在の屋根の状態 確認する主な部分
棟板金の屋根 板金の浮き・変形、固定部、棟下地、さび
瓦屋根 瓦の割れ・ずれ、棟のゆがみ、漆喰、固定状態

したがって、修理やリフォームでは「棟板金にするか瓦にするか」だけでなく、屋根全体の種類、下地の状態、雨漏りの有無、強風の影響、必要な工事範囲を確認して判断します。

見た目だけで棟板金と瓦を判断できない場合

屋根を地上から見たとき、金属部分が見えても、それが棟板金なのか、瓦を固定する金具なのか分かりにくいことがあります。また、瓦にも複数の種類があり、屋根の一部だけを見て構造を判断するのは困難です。

屋根材の種類を確認したいときは、まず建物の図面や過去の工事記録を確認し、必要に応じて業者に屋根全体の写真を撮影してもらうと判断しやすくなります。屋根の上へ自分で登ると転落の危険があるため、無理に確認しないでください。

修理を検討するときの判断ポイント

棟板金や棟瓦の修理が必要か判断するときは、次の点を確認します。

  • 台風や強風の後に、屋根材のずれや部材の浮きがないか
  • 屋根の頂上付近に、明らかな変形や欠損がないか
  • 天井や壁に雨染みが出ていないか
  • 過去に屋根の補修をした時期や内容が分かるか
  • 見積書に、棟板金・下地・棟瓦・漆喰などの工事範囲が具体的に書かれているか

「棟板金が壊れている」と言われた場合は、板金本体だけでなく、下地材の交換が必要かを確認しましょう。「瓦がずれている」と言われた場合も、瓦を戻すだけでよいのか、棟の積み直しや固定方法の変更が必要なのかを見積書で確認すると、工事内容を比較しやすくなります。

棟板金と瓦の違いのまとめ

棟板金は、スレート屋根や金属屋根などの棟をおおう金属製の部材です。瓦は屋根全体に使われる屋根材で、瓦屋根の棟には棟瓦が使われます。

棟板金の屋根は固定部や下地の劣化、瓦屋根は瓦のずれや割れ、棟のゆがみを確認するのが基本です。修理方法は屋根の種類と劣化状態で変わるため、屋根に登らず、写真や見積書で具体的な状態と工事範囲を確認してください。