瓦のひび割れを補修する方法は?

瓦のひび割れは、ひびの大きさや瓦の種類によって補修方法が変わります。小さな表面のひびなら、瓦に適合する補修材で応急的に補修できる場合がありますが、ひびが広がっている、瓦が割れている、雨漏りがある場合は瓦の交換が基本です。

屋根の上での作業は転落の危険があるため、無理に上らず、まず地上から状態を確認してください。ひび割れの原因が下地のずれや雨漏りの場合、瓦だけを補修しても直らないことがあります。

瓦のひび割れを補修する方法

ひび割れの補修は、次の順番で判断します。表面の細いひびだけなら補修材を使えることがありますが、瓦の強度を元に戻せるとは限りません。

  1. 地上からひび割れ、瓦のずれ、欠け、周辺の雨染みを確認する
  2. 瓦の種類と、ひびの位置・大きさを確認する
  3. ひびが小さく、瓦が動いていない場合は適合する補修材を検討する
  4. ひびが大きい、割れている、ずれている場合は瓦を交換する
  5. 雨漏りや下地の腐食が疑われる場合は、屋根業者に点検を依頼する

小さなひびを補修材で埋める場合

瓦の表面に入った細いひびで、瓦が割れておらず、雨漏りもない場合は、瓦用の補修材や屋根用シーリング材でひびを埋める方法があります。

使用する補修材は、瓦の材質、屋外使用への適合、接着する素材を確認して選びます。粘土瓦、陶器瓦、いぶし瓦、セメント瓦などでは、表面の状態や塗装の有無が異なるため、どの瓦にも同じ補修材が使えるとは限りません。

  1. 雨が降っておらず、瓦が十分に乾いている日を選ぶ
  2. 瓦の表面から、ほこりや泥を取り除く
  3. 補修材の説明書に従い、ひびの周辺を必要な範囲だけ清掃する
  4. ひびの中に補修材を押し込み、表面をならす
  5. 指定された時間が経過するまで、雨や水がかからないようにする
  6. 乾燥後に、補修材の浮きやひびの再発がないか確認する

補修材を厚く塗るだけでは、瓦の内部まで入ったひびや、瓦にかかる荷重を解決できません。補修後もひびが広がる場合は、補修を繰り返さず瓦の交換を検討します。

瓦が割れている場合は交換する

瓦が2つ以上に割れている、角が欠けている、踏んだような割れ方をしている場合は、補修材で接着するよりも瓦を交換する方が適しています。割れた瓦は防水性だけでなく、屋根材としての強度も低下しているためです。

交換には、同じ形状・寸法・施工方法の瓦が必要です。古い屋根では同じ瓦が入手できないこともあるため、既存瓦を外して型番や寸法を確認してから手配します。

瓦の交換手順

瓦の交換は屋根の傾斜や高さによって転落事故につながります。次の手順は作業の概要であり、安全な足場や適切な工具を用意できない場合は業者に依頼してください。

  1. 交換する瓦の位置と、周囲の瓦の状態を確認する
  2. 同じ種類・形状の交換用瓦を用意する
  3. 瓦を固定している釘や金具、重なり方を確認する
  4. 周囲の瓦を無理に持ち上げず、割れた瓦を取り外す
  5. 下地や防水シートに破れ、腐食、雨染みがないか確認する
  6. 新しい瓦を既存瓦と同じ位置・重なりで設置する
  7. 瓦のずれや浮きがないことを地上または安全な位置から確認する

下地材や防水シートまで傷んでいる場合は、瓦を新しくするだけでは雨漏りが止まらない可能性があります。屋根の内部に水が入っている形跡があるときは、交換作業とあわせて点検が必要です。

ひび割れの状態別に選ぶ補修方法

状態 考えられる対応 注意点
表面に細いひびがある 瓦に適合する補修材を検討 ひびが広がる場合は交換する
瓦の一部が欠けている 交換を検討 欠けた部分だけの補修では強度が戻らない
瓦が2つ以上に割れている 瓦を交換 周囲の瓦や下地も点検する
瓦がずれている、浮いている 原因を確認して固定・交換 地震や強風による下地のずれが隠れていることがある
室内に雨染みや雨漏りがある 早めに屋根全体を点検 瓦だけでなく防水シートや板金が原因の場合がある

瓦のひび割れにコーキングだけを使ってよい?

コーキングでひびを覆うだけでは、根本的な補修にならないことがあります。コーキングは補修材の種類や施工条件によって密着性や耐久性が変わり、瓦の動きや紫外線によって剥がれることもあるためです。

また、瓦の重なり部分や水の流れをふさぐようにコーキングすると、内部に入った水が排出されにくくなることがあります。補修材を使う場合も、ひびの部分だけに適量を施工し、瓦の重なりや排水経路をふさがないことが重要です。

モルタルやセメントでひびを埋める方法もありますが、瓦と補修部分の動きが異なるため、再び割れることがあります。瓦の種類や施工方法を確認せず、屋根全体を固めるような施工は避けてください。

自分で補修せず業者に依頼した方がよいケース

次のいずれかに当てはまる場合は、屋根に上らず、屋根工事業者などに点検を依頼するのが安全です。

  • 2階以上の屋根や急勾配の屋根にある
  • ひび割れた瓦が屋根の中央や棟付近にある
  • 瓦が複数枚割れている、または大きくずれている
  • 雨漏り、天井の雨染み、屋根裏の濡れがある
  • 瓦の下にある防水シートや木材の状態を確認できない
  • 台風や地震の後にひび割れが見つかった
  • 交換用の瓦が見つからない
  • 屋根の上を安全に歩くための足場や保護具がない

点検を依頼するときは、ひび割れの場所だけでなく、瓦のずれ、棟、板金、防水シート、雨漏りの有無も確認してもらいます。見積もりでは、瓦の交換だけで済むのか、下地や周辺部材の補修も必要なのかを分けて説明してもらうと判断しやすくなります。

補修までに雨が降りそうなときの対応

雨漏りがある場合は、室内の家具や家電を移動し、バケツなどで水を受けて被害の拡大を抑えます。屋根にブルーシートをかけるために雨天や強風の中で上るのは危険なので、無理に作業しないでください。

応急処置をする場合も、瓦の隙間や排水経路をふさぐと別の場所へ水が回ることがあります。雨がやんだ後に、屋根の上ではなく地上から瓦のずれや落下物を確認し、必要に応じて点検を依頼します。

瓦のひび割れ補修で最初に確認すること

まず、ひびが表面だけなのか、瓦が割れているのか、雨漏りがあるのかを確認してください。細い表面ひびなら適合する補修材、割れ・ずれ・雨漏りがあるなら瓦の交換や下地を含む点検が基本です。

屋根に安全に上れない場合は、地上から写真を撮って状態を記録し、瓦の種類やひび割れの位置を伝えて業者に相談します。